
【「右官(うかん)」と「左官(さかん)」の由来について】
「左官」は、今では“壁を塗る職人さん”としてよく知られていますよね。
でも実は、昔は「右官」も存在していたのをご存じですか?
江戸時代までさかのぼると、建物の水まわりや屋根などの“水”に関わる仕事をする職人を「右官(うかん)」、
そして、土壁や漆喰などの“土”に関わる仕事をする職人を「左官(さかん)」と呼んでいました。
「右」と「左」で対になっていたわけですね!
その後、時代とともに「右官」という呼び名は姿を消し、
「左官」だけが残り、今のような“塗り壁のプロ”としてのイメージが定着しました。
実際には、“水”と“土”という、建築においてとても重要な素材の仕事を担う職人同士だったんですね。
職人の名前ひとつ取っても、
昔の仕事の分業や技術の背景が見えてくるのが面白いところです。