職人クリップ

【大工四方山話】その3

2025.08.28
【大工四方山話】その3

 

【鉋(かんな)の世界】

 

大工の仕事に欠かせない道具のひとつが「鉋(かんな)」です。
鉋は木材の表面を薄く削り、なめらかに仕上げるための道具で、昔から職人技の象徴とされてきました。

職人の世界では、鉋屑の薄さが腕前を示すとも言われています。
わずか0.01mmほどの薄さで鉋屑を出せる職人は「一流」とされ、全国各地で行われる鉋削り大会でも技術が競われています。

しかし、ただ薄く削ることが目的ではありません。
木には一本ごとに「クセ」や「繊維の流れ」があり、それを見極めながら最適な方向で鉋をかける必要があります。
繊維を無視すると逆目(さかめ)と呼ばれる仕上がりになり、木肌が荒れてしまいます。
この「木を読む目」こそが、職人の経験と感覚が問われる部分です。

現代では電動工具が普及し、効率的な作業も可能になりました。
それでも最後の仕上げ、木の表情を活かしてなめらかに整える「最終のひと削り」は、やはり手鉋の出番です。
鉋の刃を研ぎ澄まし、木と向き合いながら削る――
そこには、今も昔も変わらない大工の誇りと技が込められています。

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