~木は、冬にいちばん落ち着く~
「木の家は呼吸している」とよく言われます。
これは例えではなく、実際に木が湿気を吸ったり吐いたりして、伸び縮みしているからです。
木は、空気中の湿度に合わせて動く性質があります。
湿気が多いと水分を含んで膨らみ、乾燥すると水分が抜けて縮みます。
冬は空気が乾燥しているため、木の水分量も安定しやすく、
一年の中でも比較的「落ち着いている」状態になります。
反対に、春から梅雨にかけては湿気が増え、木は少しずつ動き始めます。
季節によって、建具が開きにくくなったり、
床がきしむ音が変わったりするのも、
こうした木の性質によるものです。
大工は、木が動くことを前提に家をつくります。
ぴったり作りすぎない、余裕を持たせる。
それもまた、長く快適に住むための工夫です。
冬の住まいがどこか落ち着いて感じるのは、
木そのものが穏やかな状態にあるからかもしれません。
住まいの中にある自然素材は、
季節とともに、静かに変化を続けています。
