
「木槌」と「玄翁」って、何が違うの?
現場でよく見る「叩く道具」。
似ているようで、実はまったく用途も背景も違うのが「木槌(きづち)」と「玄翁(げんのう)」です。
🔨 木槌はその名の通り、頭も柄も木でできた道具。
主に木材を傷つけずに叩きたいときに使われます。たとえば、木材同士を組むとき、ノミを叩くとき、鉋(かんな)の台を調整するときなど。木を打つための、優しいけど力強い相棒です。
🔩 **玄翁(げんのう)**は金属製の頭をもつ、いわゆる「金槌(かなづち)」の一種。
釘を打ち込むときや、金属を叩くときに使います。日本の玄翁の形は独特で、頭の片側が丸く、もう片側が平らなのが特徴です。
しかもこの「玄翁」という名前、実はあるお坊さんの名前が由来ってご存知ですか?
鎌倉時代の「一休玄翁和尚(いっきゅうげんのうおしょう)」という僧侶が、金槌を使って心の迷いを打ち砕くという禅の教えになぞらえて、職人たちがこの道具に「玄翁」と名付けた…という説が残っています。
🧠 道具ひとつにも、使い方や名前の背景にストーリーがあるのが、大工道具の面白さ。
現代でも使い分けることで、木に優しく、正確に、長く残る仕事ができるんです。